BAGEL STANDARD
「週7食べたい」を形にした、ベーグル
“BAGEL STANDARD”
“週7食べたい”を形にした、ベーグル。
アメリカやヨーロッパでも、“ヘルシー”な食生活を心がけている人たちに人気のベーグル。本場・ニューヨークで売られているものをそのまま届けたいと考えられたベーグルは、卵や乳製品を使わないレシピで子供から大人まで楽しめる。
JR目黒駅から権之助坂を下って大鳥神社を目指すと、そこから徒歩で2分くらいの所にある「ベーグルスタンダード」。オーナー・国分誠司さんの体や心への、“ヘルシー”にかける想いが、商品すべてに生かされていて、ベーグルサンドもほぼ添加物を使っていないというこだわりようのあるお店だ。
ショーケースに並ぶおいしそうな断面の数々を見ると、あれもこれも迷ってしまうけれど、通う楽しみが増えていつの間にか顧客たちの生活の“スタンダード”なお店になっている。
“いちファン”が挑戦するベーグル作り
ガーデンデザイナーとの二足の草鞋を履くオーナーの国分誠司さん。
実は、先代オーナーが「ベーグルスタンダード」を運営していた時代に客として通っており、先代が閉店を考えているとの話を聞き同店で修行をスタート。運営を引き継ぐことになる。
「自分が惚れ込んだ店の味をなくしたくない。純粋にこの店がなくなっては困る、やめてほしくないと思ったんです」(国分さん・以下同)
その想いがあるとはいえども
・ガーデンデザイナーの仕事をしながら修行の厳しさ。
・店舗運営を引き継ぐのは生半可な気持ちではできない。
安易なことではないはずだ。
「ガーデンデザイナーの仕事で、店舗のグリーンデザインを担当することもあったんです。植物があることで、お店の雰囲気ががらりと変わる。特に飲食店ではその親和性を感じることが多々あって、将来的にはどちらもできたら良いなと思っていたんです。
でも、先代から閉店すると聞いたのはコロナ禍。迷う部分がありましたが、一方で、ガーデンデザイナーとしてのプロジェクトが止まっていた時期でもあって。
時間がある今がチャンスじゃないか?と、思い切って、大好きなお店を継ぐことにしました」
大好きなお店、大好きな味だからこそ、その味が再現できないようならやる意味はない。
「自分と同じこの店のベーグルが大好きな“ベーグルスタンダードファン”を裏切るような結果だけにはしたくなかった」
大きな覚悟をもち、昼間はガーデンデザイナー、夜はベーグル製造の修行というハードに自らを追い込む期間を経て、2021年現在の地に「ベーグルスタンダード」を出店した。
3代目オーナー・国分さんが誕生した瞬間。
本場の味と食感を追い求めて
代々受け継がれた「ベーグルスタンダード」のベーグルレシピで大事にしているのは、“本場の味”であること。
「ヨーロッパからのユダヤ移民とともにアメリカへやってきたベーグルですが、バターをはじめとした乳製品や油脂、卵を使っていないのが従来のパンと違う点。
健康に気をつかうニューヨーカーの日常に欠かすことができない食事パンになっています。
日本で売られているものは日本ナイズドされているものも多く、特に食感については“パン”のようにフカっとしたものが目立ちますが、ベーグルスタンダードのベーグルは、北米産の小麦粉にこだわり、NYのベーグル店で売られているような“ムギュムギュ”とした食感を実現させています」
食感と味を維持するために、材料にこだわるのはもちろんのこと、季節ごとで水の配合や発酵時間を変えるという工夫も。
今や常連のお客さまが“前より美味しくなった”との感想をくれるほどに。
「小麦はちょっとした環境の変化の影響で、出来上がりの食感が変わってしまうんです。1年目にはうまく焼けず、“今日は出せるベーグルがない”という苦い経験もしましたが、季節ごとの試行錯誤を繰り返し、いまは堂々とお客さまに出せるようになり、安定感も出てきました」
今や常連のお客さまが“前より美味しくなった”との感想をくれるほどに。
「その一言は、スタッフみんなの努力と日々の学びが報われた瞬間でしたね」と、国分さんは笑う。
飲食未経験だからこその、“強み”
ベーグルサンドのフィリングについては引き継いだ味も大事にしながら、国分さんらしさもプラスしている。
「自分が添加物を極力とらない生活をしているので、定番メニューの食材はその嗜好で検討し直したものもあります。
また、お客さんが楽しめるようなフィリングや組み合わせは常に探しています。
例えば、店がある山手通りを挟んだ向かいに“玉川屋”という100年以上続いている和菓子屋さんがあるのですが、そこのあんこを使ったベーグルサンド。自分がその和菓子屋さんのお菓子が大好きだったこともあるのですが、こんな近くにおいしいものがあるんだから組み合わせたら面白いのでは?!というアイデアから生まれました」
スタンダードなベーグルの美味しさにプラスして“通う楽しみ”ができる多岐に渡るレパートリーは、もともと他業界で働いている国分さんだからこそのセオリーがないアイデア。
「別業種を経験しながら飲食業界に飛び込んだので、飲食店のセオリーはあまり分かりません。アイデアや柔軟さを重要視しています。スタッフや、自分のまわりの意見に耳を傾け、自分も勉強しながら、何がお客さんに喜んでもらえるかを考える日々です」
週末だけ登場するチョコベーグルもそんなアイデアから生まれたものの一つ。チョコレート生地に、ブロックチョコを入れて、焼きたては“悪魔的”な美味しさだと自他ともに認められる逸品。
目指すのは、「週7“ここで”良い」
「店名通り、日常生活になじんだ存在、”スタンダード”でありたい」と話す国分さん。
目指しているのは、“週7ここで良い店”。
国分さんがこだわる食材も、“週7ここで良い”と思ってもらいたいからこそ。
「“ここで良い”と思ってもらうには、毎日食べても安心なもの、ということが大事な要素です。だから、“毎日食べて安心ですよ”と言い切れる覚悟を持って食材を選んでいます」
ベーグルサンドの定番、スモークサーモンは限りなく添加物を使っていないものを探した。国内のあらゆる業者に電話をかけてようやく見つけた、無添加で塩だけしか使っていない安心なもの。
そのこだわりように脱帽する。
「自分が振り返っても週7日(毎日)食べたいものってごくわずかなので、実は難しいんですよね。でもそこにチャレンジしていきたいと思っています。食べ飽きない美味しさがありつつ、毎日食べても安心なもの。そして選ぶ楽しさがある豊富なレパートリー。あとは、ここに来たら誰かと喋れる、笑いあえる、と思えるようなスタッフとのコミュニケーション。そんな毎日通いたくなるような、小さな、でも核になる部分を大事にしていきたいですね」
“思わず立ち寄りたくなる”ベーグル屋さん・「ベーグルスタンダード」は、一度足を運ぶと、次も、その次も、と通いたくなる魅力が詰まっている。
出勤前に寄るもよし、週末の朝ごはんやブランチに買いに行くもよし。目黒付近に来る機会があればぜひ立ち寄っていただきたい。
BAGEL STANDARD
NYスタイルのベーグル、サンドイッチのテイクアウト専門店。
adress:153-0063 東京都目黒区目黒3-8-6
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/bagelstandard/