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HAWAIIAN SLACK KEY GUITAR

開放的な音色がイマジネーションを掻き立てる

ハワイアン・スラック・キー・ギター

ハワイアン・スラック・キー・ギター”という言葉を聞いたことはあるだろうか?

耳にするだけで、波の音、素足で踏む砂浜、潮の匂いと頬にあたる風が浮かび、気持ちが軽くなるギターの音色。

ハワイアン・スラック・キー・ギターの音を初めて聴いたのはハワイ島で乗ったタクシーの中。訪れたその土地を感じさせてくれる音に耳を奪われた。

なぜ音を聴いただけで土地の空気を感じられるのだろう。

日本で“ハワイアン・スラック・キー・ギター”を弾いているKamoku Takahashiさん(以下、Kamokuさん)にその魅力を聞いてみた。

ルーツはスペイン人のカウボーイ?!

“ハワイアン・スラック・キー・ギター”の特徴は、弦をゆるめたオープン・チューニングで弾く奏法。どのような経緯で生まれたものなのだろうか。

「ハワイは島国でもともと家畜のような大きな動物は存在しなかったのですが、カメハメハ大王に牛が献上されて以降、野生化した牛が増加し、民家や畑を荒らすようになりました。

そのときに知ったのがメキシコのカウボーイの存在。牛を扱う技術を教えてもらうために、スペイン人カウボーイ(エスパニョール)を呼び寄せたと言われています。

エスパニョールたちが、休日や仕事後に趣味を楽しむために持ち込んだのがギター。彼らがギターを弾く姿の見様見真似をするようになった現地の人たちは、チューニングを学ぶ機会もなく、自分たち流で弦を触りながら弾き始めたのが“ハワイアン・スラック・キー・ギター”奏法のはじまりと言われています」(Kamokuさん)

“ゆるめる”という意味のスラック(Slack)

ハワイに流れている空気そのもののようにゆったりとした音楽がスラック・キーギターだ。

20年越しで見つけた“ハワイの音”

Kamokuさんが“ハワイアン・スラック・キー・ギター”を知ったのは、とあるアルバムがきっかけ。ハワイアンミュージックのCDではなく、アメリカのギタリスト、ライ・クーダーが発表した「チキン・スキン・ミュージック」というものだったという。「音楽を弾くのも聴くのも大好きでさまざまなジャンルを聴いていたのですが、このアルバムの中で2曲だけちょっと今まで聴いてきた音と違う!と心をつかまれたものがあったんです」

(Kamokuさん)

当時はその2曲のジャンルや奏法の正体がわからず、真似てみたくても同じようにならなかったとのこと。

しかし20年後にその謎が解けることになる。

「渋谷のパルコギャラリーで開催されていた平間至さんの“アンビエントハワイ”というハワイがテーマの写真展に行ったんです。そこで観た映像で“チキン・スキン・ミュージック”を聴いたときと同じような音が流れていて。あのときの音だ!と思い出し、どなたが奏でているのか探し出し、辿り着いたのが今も僕の師匠であるハワイアン・スラック・キー・ギターの山内雄喜さんでした」(Kamokuさん)

“音をクリエイティブする”という自由な概念

たったひとつ音を聴いただけでもKamokuさんにハワイを感じさせたという、師匠・山内さんのギターの音色。彼からスラック・キー・ギターを教わるなかで、心を惹かれた部分があるという。

「“ハワイアン・スラック・キー・ギター”にはさまざまなチューニングの種類が存在するのですが、自分の声域に合わせてチューニングするのが基本で、演奏する人が自分のすきな響きを作る。自由に音をクリエイティブしていくのが、とても良いなと感じたんです」(Kamokuさん)

もともとこの奏法ができたルーツも、エスパニョールが弾くギターを見様見真似で“自由に”演奏し始めたところからと言われている。自由にたのしみながら、自分たちらしく演奏するという骨子が引き継がれている奏法なのだろう。

特別なものではなく、当たり前にある日常の音楽

ウクレレやスチールギターのハワイアンミュージックを聴くと「オアフ島」「ホノルル」「ワイキキ」の真っ青な海や空を想像するが“ハワイアン・スラック・キー・ギター”は少しローカルで地に足がついた人たちの暮らしや雰囲気が漂う。

「家族の誰かが弾いていたのを真似したり、近所の人が庭先の椅子で弾いているのを見て覚えて弾き始める。ハワイで昔から暮らしていた人たちの生活に密接している音なんです。道端や家の前で弾いていたものが、そのまま文化に根付いた。特別なものではなくて、当たり前にある音楽だと思います。最近ハワイで人気が出てきた10代のスラック・キー・ギタリストも、親戚のおじさんに教えてもらうところから始めたと言っていました」(Kamokuさん)

特別なものではなく、その土地の生活に根付いたもの。だから教本や楽譜もあまり出回っていないとのこと。

オープン・チューニングが醸しだすハワイの空気感

「お酒を飲みながら誰かと話す気分転換もいいけれど、開放的な音楽を聴くリラックス方法もおすすめです。音を聴きながら脳内で海が広がっていたり、ハワイローカルの土や潮の香りを感じたりと、イマジネーションが広がる。それが“ハワイアン・スラック・キー・ギター”の一番の魅力だと僕は思っているんです」(Kamokuさん)

オープン・チューニングが醸しだす独特の開放感が“ハワイアン・スラック・キー・ギター”の最大の特徴。

“ハワイアン・スラック・キー・ギター”を聴きたい人にはどんな音源がおすすめなのだろうか。

「入門としておすすめなのは、OZZIE KOTANI(オジー・コタニ)の『カニ・キ・ホ・アル』というアルバム。クラシックギターで弾いているので音色もやさしく、すっと馴染めると思います。多くのギタリストに影響を与えたギャビー・パヒヌイの音源もおすすめです。8ビートなどの曲などもあって、聴いてみるとハワイアンミュージックという概念を覆されるかもしれません。最後は、私自身のアルバムが最近サブスク(Spotify)で聴けるようになりました。Slack Key for SURFERS。こちらもぜひ。」

Kani Ki Ho'alu - Ozzie Kotani

Slack Key for SURFERS - Kamoku Takahashi

「湘南・七里ヶ浜にあるギター・ウクレレの専門店「Quiet Village」で教室も開催しているので、気軽に触れてほしいなと思います」(Kamokuさん)

ちょっとハードルが高い?!と思われがちなハワイアン・スラック・キー・ギター。

ちょっとだけマニアックな音楽の習い事ができるのは、大人ならではの特権かもしれない。

レッスンは手ぶらで訪れてもOK!

KaMoku Takahashi ハワイアン・スラック・キー・ギター レッスン

https://quietvillage.jp/lesson/10960/

気温も上がり、心地の良い季節になってきた。

家の窓を開け放して聴くもよし。

ドライブのお供の1枚にするもよし。

カフェでコーヒーを飲みながら聴くもよし。

“ハワイアン・スラック・キー・ギター”の音色がそばにある週末。

いつもより心が開放された感覚を味わえるはずだ。

大人になってからの習い事を始めたい人には「いつもと違う週末」を求めて

湘南・七里ヶ浜にギターレッスンに訪れてみてはどうだろうか。

KAMOKU TAKAHASHI - SLACK KEY GUITAR PLAYER

https://mellowslackkamoku.jimdofree.com

Slack key Guitarをとおしてオリジナリティーのある「Mellow Beach Music」を探求しています。唯一の望みは、僕の作る音楽が誰にとっても、心地よくメローでハッピーな音楽である事!そうであれば幸せです。またそうであってほしいと願っています

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