花とミツバチと暮らす
芹澤養蜂
花の季節を追うロマンティックな旅
自然の植物とミツバチが作り出す、ヘルシーな食物『ハチミツ』
子供から大人まで嫌いな人はいないはず。美容にも風邪にも効果はあり、健康的な食物として遥か時代を越えて愛されてきた。
花の種類によって香りも味も変わるハチミツの魅力。
『芹澤養蜂』は神奈川県秦野市にあるみかん山に巣箱を置き、ハチミツづくりを行なっている。芹澤養蜂の生い立ちは、芹澤勝男さんは幼い頃からはハチが好きだった。近所のレンゲ畑に来ていた『移動養蜂家』を機にハチに興味を持ち、高校卒業後にハチを飼うようになり、独学で養蜂を学んだ。その後、会社勤めをしながら趣味として養蜂をしてきたのだ。ハチが好きで始め、楽しみ続けて50年も続けているのだ。現在は、妻の藤子さんや義息子徹さん、娘玲子さんも携わるようになり家族でハチミツ作りをしている。
芹澤養蜂の作るハチミツは加工なし、非加熱、無添加の天然のままのフレッシュハチミツ。
国産のフレッシュハチミツはとても貴重になっており、芹澤養蜂のハチミツは一度食べると他のハチミツが食べられなくなる。透明感のあるハチミツは花の香りがふわっと香り、くせがなく食べやすい。どの花の蜜もそれぞれ違い、食べるのが楽しみになる。
採蜜時期によってハチミツの味も変わる。4月上旬は桜。4月下旬はブルーベリー。5月はみかん。7月〜8月は百花。日本の気候と風土に合わせて季節の花を追いかけるように、味も変わっていく。四季と共に採蜜をするのだ。
採蜜の作業は至ってシンプル。手作りの木の巣箱に作られたハチの巣を取、手動の分離機で蜜を落とし、こし器でこして瓶に詰める。
糖分を加える事、煮詰めて濃度を高める事もしない。と言うよりも必要がないのだと言う。そもそも儲けようとして作っているわけではなく、趣味から始まった事。芹澤養蜂のハチミツはそのシンプルな味が忘れない味にさせる。
ハチミツは生き物を殺す事なく得られる食物。近年、アマチュア養蜂家が世界的に増えており、ハチをペットとして飼い、趣味と実益を兼ねた自然趣味。
日本国内における専業養蜂家は5000人余りその内、移動養蜂家は200人余り。芹澤さんもきっかけとなった移動養蜂家とは、季節を巡ってハチの巣箱を移動させながら旅をする事。巣箱を移動する事を転飼と言い、転飼養蜂家とも呼ぶ。2月鹿児島の菜の花畑から転飼養蜂家の旅は始まり日本列島を北上していく。
移動養蜂は花を追うロマンティックな旅なのです。
ローマ神話とハチミツ
ハチミツと人類の関わりは遥かに昔に遡る。世界的にはローマ神話によると1万年前エジプトではすでに採蜜が始まっていたと言われている。日本では平安時代に宮中への献上品の中にハチミツの記録が残されており、江戸時代には巣箱を用いた養蜂が始まっていたと言われているので、食物としての歴史はとても古い。
食としてはもちろん、古代エジプトのクレオパトラは既に美容にハチミツを使っていたと言うのだ。ハチミツの効能は素晴らしく、身体の組織を作るミネラル、疲労や風邪予防のビタミン、肌細胞を作るアミノ酸、老化防止のポリフェノール、腸を整える有機酸など数多くの効能をもたらす。
芹澤さんも毎日寝る前にスプーンひとさじのハチミツを食べてから寝ると言う。
ハチミツは体への吸収も早くエネルギーに変わる。
ハチミツは古代より身体のバランスを整える自然食物として、食べられてきたのだ。
寿命の短いミツバチがつくるハチミツ
ハチミツは働きバチであるミツバチがつくりだす。寿命1ヶ月〜5ヶ月のミツバチが花にある蜜を体内に溜め込み、巣へ持ち帰る。巣に帰ると口移しで働きバチに渡す。蜜の主な成分であるショ糖が果糖とブドウ糖に分解され、巣房に入った蜜はハチの羽で送る風によって水分が濃縮される。蜜がちょうど良い濃度になると、巣房にろうで蓋をする。一方女王蜂は寿命4年で卵を産むのは女王バチだけ1日1500-2000個産む。オスバチも寿命1ヶ月で生殖の時だけの役割。種族維持のために昆虫は仕事を分業し、この事を社会性昆虫と呼ぶ。
ハチは多くの農作物にポリネーション(花粉交配)という大切な働きをしている。ミツバチは蜜を吸いにいく事で体に花粉がつき確実に受粉する。芹澤養蜂も小田原にある曽我の梅林より依頼を受けて、ポリネーションしに巣箱を置きにいくそうだ。つまり、農家も蜂がなくてはならない。農家も養蜂家もあってこそという親交関係なのだ。真冬にハウスの中で果実や野菜を作ることができるのも、ミツバチによるポリネーションのおかげなのだ。
芹澤養蜂
お問い合わせ先
出店情報
大磯市(第3日曜日)https://www.oisoichi.info
sun sun マルシェ(第2日曜日)https://www.sunsun-marche.com
写真提供:芹澤養蜂