日本のパリと言われる神楽坂に、オンリーワンな老舗割烹料理店
め乃惣
日本のリトルパリ
東京でも風情のある街並みが残され、パリを思わせる街としても人気を誇る「神楽坂」。
江戸時代の面影である石畳と黒塀はかくれんぼ横丁と言われ、秘密基地を歩いている様な気分にさせる。
石畳、坂、階段はパリのモンマルトルの様な風情をもたらし、神楽坂は昔から日本在住のフランス人が多い街で、フランス料理店やフランス語学学校もあるためリトルパリと呼ばれてきた。
裏路地に入れば迷い込みたい路地裏高級料亭、ミュシュランの星付きレストラン、呉服店、ギャラリー、カフェと格式あるお店が立ち並ぶ。
今や東京のブランド都市として人気の街でもあるが、その伝統的は大正時代も東京六花街として栄え、花街と言われていた神楽坂。
め乃惣の由来は小説より
神楽坂を登りきった辺りですっと路地を入ると、しっとりと落ち着いた大人の街になる。
割烹料理『め乃惣』も路地に入って直ぐの静かな場所に位置する。
昭和50年創業のめ乃惣は現在2代目である萩原淳二さんが受け継いでいる。
店名は泉鏡花の小説『婦系図』に登場する魚屋『め組の惣助』から、そのモデルとされる人物が同じ神楽坂にある老舗料亭「うを徳」創業者・萩原徳次郎で100年の歴史を持つ。
徳次郎の息子として生まれた萩原哲雄が開いたお店が「め乃惣」で、うを徳よりももっと気軽に寄れる小料理店として誕生した。
暖簾をくぐり木戸を開けると、趣のあるカウンター席が目に飛び込んでくる。
店にはカウンター席6席、個室席8席のこじんまりとした店内は、代々大切に受け継がれてきたことが伺える。
3年前に亡き父の店である、め乃惣を継いだ淳二さん。父の背中を、祖父の背中を見て育ってきた。
代々受け継いできたものを変えないことも大変だけど、今世にあった進化も必要だと話す。
神楽坂は近年後継者不在で、中華料理店、文房具店、喫茶店など古いお店が次々と新しいお店へと生まれ変わっている。
未だに芸者さんが残る東京の花街として、ここで生まれ育った者はこの粋な街を残して行きたいと思っている。
モノには心がある
淳二さんは大学卒業後に家業に1年就く、その後修行の為に外に出て経営の仕事を学んだ後に戻ってくる。
淳二さんは父から受け継いだ料理や店を、自分なりにより丁寧に仕上げているという。
自分が実際に外で使って良かった物を体感して、それを取り入れること。
名物の海老しんじょうもアレンジして、よりふわふわな食感を生み出した。
料理は季節によって器を変えることも重要だ。
代々使われてきた漆塗りのお碗、綺麗な光が入る江戸切子のお猪口は淳二さんのこだわりのひとつ。
東京にも昔から伝わる伝統技術は沢山ある。今は継承する事が難しくなり失われていくものもある中で、
め乃惣ではしっかりとその伝統をお客様へおもてなしの気持ちを込めて取り入れている。
日本には四季があるように、料理にもその季節に見合った食材があり四季がある。
これこそが日本の割烹料理のおもてなし。『モノには全て心がある』と話す淳二さんの言葉は、心をこめている職人気質が伺えた。
料理は食材が命である。週4回程、豊洲へ朝買い出しに行くことから始まる割烹料理店の一日。
料理人として何よりもお客様が美味しいと言って料理を食べ、楽しく過ごしている姿が嬉しい時。
神楽坂で生まれ育った淳二さんの信念が料理へと、店へと映し出されている。
め乃惣 小割烹
東京都新宿区神楽坂4-3
TEL:03-3267-8180
Lunch 11:30-14:00
Diner 17:30-22:00
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